クレモナのヴァイオリン工房で職人芸に触れる

イタリアのクレモナ旅行、最終日は街中を散策できました。

楽器の展示会があったこともあり、こんなに街でヴァイオリンを持っている人を見かけたことないかも!?

っていうくらい、肩から楽器を下げている人を見かけました。

展示会でご紹介いただいたクレモナで工房を持たれている高橋さん。

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彼の工房へ行く途中、何やら大きな物体が!?と立ち止まると

なんとなんと!世界最高峰のヴァイオリン、ストラディバリウスの生みの親

ストラディバリさんの石像でした!

ここがなんと、彼のお家だったそうです!

ストラディバリが、その長い生涯の間で生み出した名作は数知れず。

今でも、彼のヴァイオリンは500から600挺ほど残っていて

一番高価なものは、20億円ほどと言われているそう。

長女は、この夏のレコーディングでストラディバリウスを弾かせて頂きましたが、

特に高音部などで、「あー、さすが!」という伸びの良いシルキーな音が出ていて感動しました。

何百年経った今でも、こうして世界最高峰の楽器として、

皆を酔いしれさせる音色を奏でてくれている、

その凄さと歴史を感じずにはいられませんでした。

さて、高橋さんの工房へ到着したら、驚いたことに彼の工房は

私達がこの後行ってみたいね、と話していた

クレモナの現代の大巨匠と呼ばれるステファノ・コニアさんの工房の敷地内にあるではないですか!?

高橋さんは、マエストロの元で修行され、今は独立されてここに工房を構えられているとのこと。

これは、引き寄せ!?と嬉しくなってしまいました。

しかも、ラッキーなことに、ちょうどマエストロがいらっしゃるからと

すぐに紹介して下さり、なんとアポなしでコニアさんに会えることに!

ちょうど、ニス塗りのリタッチをされていました。

この窓際での作業がちょうど良いのだそう。

細い筆で、少しずつリタッチされているのを見て、

本当に細かい手作業によって作られているのだと改めて感じました。

一見強面で巨匠の風格でいらっしゃいますが、作業が終わるとささっと椅子から立ち上がり、

ペンや絵葉書など持ってきてくださった後、「じゃあ!」と颯爽とランチに行かれました。

後から、サラサーテという頂いた雑誌に乗っていた特集に

「コニア師匠にとってルーティーンは絶対的なもの、全て想定済みで無駄も予定変更も決して許さない

 ストイックさが何十年にわたり高い評価を得ている秘密だと私は思います」(サラサーテ2021年10月号)

と書かれていたのを読み、なるほど!と思ったのと同時に、

そんな貴重な時間を使って私達を入れて下さったことに、本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

その後は、彼の息子さんも出てこられて、彼の楽器も弾かせていただきました。

そして、いざ高橋さんの工房へ。

道具が整然と並べられており、ちょうど作業中の楽器をどうやって少しずつ削っていくか

実際に説明しながら見せて下さいました。

それは、まさに職人技!!

とっても丁寧で親しみやすいお人柄なので、私達もついつい居心地が良く

今まで疑問に思っていたことを質問攻めしてしましましたが、一つ一つお答えして下さり、

本当に勉強になりました。

展示会で沢山木材が売られていて、多くの方が吟味しながら購入されていたのですが、

「どうやって木を選ぶのですか?」の質問に

「手に取った感触で、大体分かります」とのこと!

すごいなーーー!、の一言でした。

同じ人が作っても、どれ一つ同じものはないという楽器には

それぞれに個性があり、それが演奏者の技術と相性によって

さらに世界で一つしかない音を生み出していく。

クレモナを訪れ、ここの空気を感じたことで、そんな奇跡を再確認し

これからさらに違う次元で音楽を楽しめそうな予感がしてきました。

その場所を訪れるって、すごいパワーを感じますね。

今はショパンコンクール真っ只中。

ショパンが愛した街ワルシャワで聴くショパンの音楽は、どんな風に聴こえるのだろうと

想像が止まりません。

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